『黄昏時の診察室~開業医を取り巻く終末期のあれこれ』
2020年5月~約1年、山陰中央新報に掲載されました連載コラム『黄昏時の診察室』16話と同紙連載コラム『いわみ談話室』の数話を冊子にしていただきました。
人生の「黄昏時」を迎えた患者に向き合う日々の体験や想いを綴っております。
松本 祐二(まつもと ゆうじ)。
1952年8月26日生まれ。
1971年に島根県立益田高等学校を卒業。
福岡市で浪人生活1年の後、1972年昭和大学医学部に入学。勉強が大好き???で大学に7年半在学し数少ない秋の卒業です。
卒業を半年延期していただき勉学に?はげみました。
昔は秋にも医師国家試験がありそれも受けましたが、やっぱり1度では合格せず、翌年の1980年に医師となりました。
「ストレートには人生は歩まない」というのがジンクスのようです。
しかし、同じ失敗は繰り返さないという経歴ではあります。
「苦労すると性格がひねくれる」とある先生に教わり、かなりひねくれているのかな?
1982年に医師であった父が3ヶ月ほどの患い(胸膜中皮腫と呼ばれるガンでした)で死亡、故郷の診療所を継承するために無謀にも開業してしまいました。
専門は本当に「何にもでき内科、子供が来たらどう小児科」という程度で様々な先生に手取り足取り育てていただきました。
今でも困ると先輩の先生方に相談しながら仕事をさせていただいています。
診察上心がけている事
年頭に我が家の床の間には神農(中国の伝説上の帝王で百草をなめ医薬を作ったとされる人)の掛け軸とヒポクラテス(古代ギリシャの人で医学の祖といわれる人)と江戸時代の松本家初代の医師の宗行を描いた掛け軸の3本を掲げて、その前に座り自分の医療に対する考え方を再構築して新たな目標を誓っています。
でも実現できていないけど・・・
- ちゃんと患者さんの話を聞こう
- 患者さんに理解していただける説明をしよう
- 常に勉強し続けて最良の医療を提供しよう
- 自分の仕事の責任を再認識しよう
- 病気は医師が治すのではない。患者さんがみずから治るのを手助けするのだ
- 失敗を何度も繰り返してはならない
それを鬼手仏心という言葉にすりかえていたりする。
ずるいですね。反省してます。
ごめんなさいね。
叱った患者さん。もう二度と来てくれないだろうなあ。